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トランスヒューマニストの主張
技術的特異点の到来を望むトランスヒューマニストの個人ブログ。加速しているテクノロジーの進歩に期待したい、脳や意識、宇宙論や量子論に興味がある、自分の脳や肉体をより高機能にしたい、不死の存在になりたい、そんな人たちに向けて情報発信。
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豚にも自己意識がある?:鏡像を理解できることが判明
豚にも自己意識がある?:鏡像を理解できることが判明
http://wiredvision.jp/news/200910/2009101521.html

どうやら豚も鏡を見て自分を取り巻く状況を判断することができるらしい。

「鏡を使った今回の実験は、ブタの自己意識を直接裏付けるものではないが、ブタたちがごく短時間で鏡の中の自分の動きを認識できるようになったことから、研究チームはブタにある程度の自己意識があるのではないかと考えている。」(上記ページより)

以前にもヒトや霊長類数種類の他に、イルカ、ゾウ、カササギ、それからヨウムのアレックスが鏡を利用できることが確認されているとのことだが、豚という身近な家畜がこのような行動を示すことにはやはり驚く。
そしてもし豚が、自分が殺されるときに「ああ自分は殺される」と意識することができるのだとしたら、豚を食用に殺すことは個人的にはばかられる。
もっとも豚が実際にどう思っているかは今のテクノロジーではまだ満足に読み取ることができないが、未来のテクノロジーでより詳しく読み取れるようになれば、高等な動物を殺す行為は残虐なものでありやめるべきものになっていくのではないかと私は勝手に予想している。
もっと棘のある言葉で言うと、哺乳類を中心とする(ヒトを含む)肉食獣の行為は「野蛮」なのではないかと思うのだ。
とはいえ動物界をどうこうするのは大変な話なので、ひとまずは人間が他の(自己意識を持っていると考えられる)動物の命を食料のために奪う行為は慎んでいく方向で進むことを願いたい。
もちろん今の状況では絶対に無理な話なので、少し遠い未来への願いということで。

多世界解釈とは違う世界観を示すかもしれない「弱い測定」
日経サイエンス10月号に日本語版オリジナルと思われる記事で興味深いものがあったので紹介したい。
量子力学の観測問題と、時間に関しての話題だ。

量子力学の伝統的な解釈では、たとえば二重スリット実験で干渉を起こした単一の電子がどちらのスリットを通ってスクリーン上にたどり着いたのか(あるいはどちらかに決めるという発想がそもそも誤りなのか)を確認する術はなく、またそれについて考えることも無意味だとされてきたが、一部ではそこに意味を見出そうとする意見も出されてきた。
その一つが、Y. アハラノフの提唱する「弱い測定(weak measurement)」と呼ばれるものだ。
「観測対象をごく弱く何度も測定すれば、重ね合わせを壊さずにすべての状態を見ることができる。」
この考えに基づいた手法を弱い測定と呼び、数学的には「観測によって得られる壊れの程度は、観測によって得られる情報量の2乗に比例する。情報量を小さくしてゆくと、壊れ度は急速にゼロに近づく。得られる情報を極限まで減らせば、重ねあわせを壊さずに観測することが可能になる」とのことだ。

具体的な内容(の概要)については以下の日経サイエンスの紹介記事に譲るとして、
http://www.nikkei-science.com/item.php?did=55910
気になった点をいくつか。

まず「弱い測定」という理論自体は1988年に既に論文として出ていて、それが今年に日本人が出した論文で実験的に一部確認されたため話題になったということらしい。
「弱い測定」の凄いところは、粒子1個から完全な情報を得ることはできないものの、同じ試行を繰り返すことで今まで全く謎だった重ね合わせの状態を観測することができるということだろう。

そしてもう一つ見逃したくないのは、観測後の結果が観測前の重ね合わせの状態に影響を及ぼしていると考えられるという点だ。
これはミクロな世界では時間が逆転する場合のあることを示している。
因果律の成り立つマクロな世界との繋がりはまだ全く見えてないが、ともかく時間は一方向に進むという直感から外れる興味深い結果だ。

また、Y. アハラノフは個人的な意見だと断りつつも、宇宙を一つの巨大な量子系と見たときに、観測によって一つの状態が決まるとする伝統的な量子力学の解釈と、重ね合わせのあらゆる状態が等しく存在するという多世界解釈に対して、宇宙の始状態と終状態が決められたときにその間を繋ぐ状態も全て一つに定まるという考えを提案している。
これは時間の概念を覆した新しい決定論の一つであるように思える。
もっともこれだけではあまりに曖昧な内容なので、深入りはできそうにない。

実験結果もごく最近に出てきたところなので、これから先の成果に期待したい、と言ったところだろうか。
時間の概念や世界観に大きな影響を及ぼす量子力学が今後どのように私たちの常識を塗り替えていくのか、楽しみでならない。

宇宙の加速膨張を否定する説
日経サイエンスの2009年7月号に、実は宇宙の膨張速度は非一様で、実際には加速膨張しているのではなく膨張速度は減速しており、加速膨張を説明するために生じたダークエネルギーの存在は不要だとする理論が載っていたのでメモ。
そのような理論は昔から一部の人が主張しているものの、観測による裏付けは確かなものが取れておらず、宇宙全体は一様で加速膨張しているというダークエネルギーの存在を示唆する理論に比べるとマイナーな理論のようだ。
しかしながら発想は面白く、一読の価値があるのではないだろうか。

まず宇宙の加速膨張を示す根拠について少し具体的に説明すると、その根拠となる主な観測データは超新星の赤方偏移で、超新星の見かけの明るさから算出した超新星までの距離(これが同時に超新星の光がどのくらい過去に発せられたものかがわかる)をもとに宇宙の膨張速度の時間変化を導いた結果、膨張速度が加速しているという結論が得られている。
そしてその加速膨張をもたらす原動力としてダークエネルギーという未知のエネルギーの存在を仮定する必要があるということだ。

しかし、実はその際に宇宙の物質密度が場所によって異なり、膨張速度が非一様であると仮定しても、同じように超新星の赤方偏移のデータを説明することができることが知られている。
この場合は膨張速度にばらつきがあれば良く、実際にはどこでも膨張速度が減速しているとして構わない。
つまり、ダークエネルギーが存在する必要はなくなる。
もっとも、この理論に必要とされる非一様性はかなり大きな空間的スケールに渡って変化する必要があって、今までの観測結果からすると望みは大きくないと言われている。(ただし指示する観測結果が得られる可能性はあると示されている。)
そのためあくまでマイナーな理論と位置づけられているようだ。

より詳しくは実際に記事にあたってみてほしい。